◆状態◆
目立つようなキズやカケ等ありません。
◆商品説明◆
オランダを代表する窯「ローゼンブルク(ローゼンブルフと表記する場合もあります)」の花器です。
オランダの至宝と言っても過言ではない芸術性及び稀少性溢れる作品です。
ローゼンブルク窯の歴史を紐解くと、1883年〜1917年という非常に短い期間しか存在しておりませんでした。
それ故に現存する作品数は少ない事がお分かりになると思います。
ローゼンブルク窯は、オランダのデン・ハーグにて創業されました。1877年の美術産業博覧会を機にオランダでは新しいスタイルを模索しローゼンブルク窯が誕生しました。
稀少性が高い特徴の2つ目として、極限までの薄い作りのエッグシェル磁器という点が挙げられます。この独特な「エッグシェル」は、試行錯誤を繰り返しながら焼成に成功し1900年の万博で高い評価を受けました。
しかしながら、このエッグシェル磁器はその薄さと形状ゆえに制作にコストがかかり窯の経営が傾く結果を招きました。ローゼンブルクの繁栄は、非常に短い期間で閉窯になったのです。
本品は、ローゼンブルク窯を代表する絵付師シェリング(Schelink S)作のもので刻印には彼が使用したサインが入っております。
制作年を示す刻印から1904年に作られました。。
サミュエル・シェリング(1876年〜1958年)は美しい植物紋、鳥紋、昆虫紋といった絵付けを手掛けており、ローゼンブルク窯を代表する絵付師と言えます。
点画のような独特の絵付け技法で、繊細かつ大胆に表現するスタイルは、他の窯では見られない絵付けです。
この素晴らしい磁器は、現存数が少なくその多くはアムステルダム国立美術館に所蔵されています。
本品は、鮮やかなオレンジ色で花紋を表現しています。この花紋はおそらく、ナスタチウムではないかと思われます。ナスタチウム独特の葉の付き方が花器全面と使い伸びやかに表現されています。
花器の面毎に異なる花紋の様子を楽しめます。4面の画像を掲載していますので、ぜひゆっくりとご覧になってお楽しみください。
植物を曲線で表現した独特の構図は、「新しい芸術」意味するアール・ヌーボースタイルです。
とりわけ、ローゼンブルク独自の点と線で表現したアール・ヌーボーは目の肥えた欧州の人々を魅了したに違いありません。
長い年月を経た今尚、躍動感と生命力を存分に感じられる素晴らしい花器です。
稀少性の高い名品をお探しの方に、是非ともおすすめしたい作品です。